犬が唇を舐める理由7つ!病気のサイン?ストレス?見分け方と対処法
- Jul 16,2026
犬が頻繁に唇を舐めるのは、実は重要な体調や気持ちのサインかもしれません。答えを先にお伝えすると、犬が唇を舐める行為には、生理的なものから深刻な病気まで、様々な理由があります。私たち飼い主が「ただの癖」と見過ごしてしまいがちなこの行動の裏には、愛犬からの切実なメッセージが隠れていることも。この記事では、私の経験と獣医学的な知見を交えながら、唇を舐める主な7つの原因と、それぞれの見極め方、そして今日からできる具体的な対処法を解説します。あなたの愛犬が何を伝えようとしているのか、一緒に読み解いていきましょう。
E.g. :モルモットの結膜炎(ピンクアイ)とは?症状・原因から自宅ケアまで
- 1、愛犬が唇を舐める理由
- 2、心の状態が表れていることも
- 3、舐め行動のパターンを見極めよう
- 4、愛犬を助けるための実践的アプローチ
- 5、日常からできる予防とケア
- 6、愛犬のサインに耳を傾けよう
- 7、もっと知りたい!愛犬の唇舐めにまつわる豆知識
- 8、私たちがやりがちな、実はNGな対応
- 9、他のボディランゲージと組み合わせて読む
- 10、もしも、という時のために知っておきたいこと
- 11、FAQs
愛犬が唇を舐める理由
体調不良のサインかも
愛犬がずっと唇をペロペロ舐めている。そんな時、一番に考えたいのは健康上の問題です。
胃腸炎や膵炎、腎不全、肝臓病といった内臓の不調、あるいはアレルギーや加齢に伴う衰えが原因で、口元が気になったり、吐き気を催したりして唇を舐めることがあります。てんかん発作の前兆として現れることも。重要なのは、唇を舐める行為が単独で現れることは少なく、元気がない、食欲がない、よだれが多い、嘔吐するといった他の症状と一緒に現れることが多い点です。「最近、元気がないな」と思ったら、唇を舐める頻度もチェックしてみてください。複数のサインが重なっているなら、迷わず動物病院へ行くべきタイミングです。
「気持ち悪い…」吐き気の表れ
あなたも胃がムカムカする時、無意識に唇を舐めたりしませんか?犬も同じなんです。
変なものを食べてしまった、車酔いした、あるいは単に胃の調子が悪い時、犬は吐き気による不快感を和らげようとして、頻繁に唇を舐めたり、よだれを垂らしたりします。これは嘔吐の前触れであることが非常に多いです。散歩中に草をむしゃむしゃ食べ始め、その直後に唇をペロリ…なんて光景を見たことはありませんか?あれはまさに、胃の中のものを吐き出そうとする体の自然な反応の一部なんです。愛犬が急に唇を舐め始め、そわそわしだしたら、「もしかして吐くかも」と覚悟して、カーペットの上ではなく、フローリングやタイルの上に移動させてあげるのが親切ですね。
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喉がカラカラ!脱水の可能性も
真夏の散歩や激しい遊びの後、愛犬がハアハア言いながらしきりに唇を舐めていたら、それは単なる「喉の渇き」以上のサインかもしれません。
特に暑い日は、犬は人間よりもずっと早く脱水症状に陥ります。唇を舐めるのは、乾いた口の中を潤そうとする本能的な行為。でも、それだけでは水分補給には全然足りません。家の中に水飲み場を複数用意する、散歩には必ず携帯用の水ボトルを持っていくなど、あなたが積極的に水分補給の機会を作ってあげることが必須です。水を飲む量が明らかに減っている、または尿の色が濃いようなら、脱水が進んでいる危険信号。すぐに涼しい場所に移動し、水を飲ませ、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
口の中が痛い!歯周病や異物に注意
実は、犬が唇を舐める最も一般的な原因の一つが、口の中の問題です。私たちだって、歯に詰まったポップコーンの皮が気になって、舌でずっといじっちゃいますよね。
歯垢や歯石がたまって起こる歯周病は、犬の口内の痛みや違和感の最大原因。歯がグラグラしたり、歯茎が腫れていたり、口臭がきつくなっていたりしませんか?また、おもちゃの破片や骨のかけら、散歩中に咥えた木の枝などが歯の間に挟まっている可能性もあります。犬は「痛い」「気持ち悪い」と直接言えませんから、唇を舐めたり、口をパクパクさせたり、前足で口元をこするような仕草で教えてくれるんです。毎日の歯磨き習慣は、このようなトラブルを防ぐ最高の予防策。子犬の頃から慣れさせておけば、あなたも愛犬もストレスなくケアできますよ。
心の状態が表れていることも
「落ち着いて…」ストレスや不安の表れ
犬は言葉を話せない代わりに、ボディランゲージで気持ちを伝えます。唇をチロチロと素早く舐める「リザードタン(トカゲ舌)」は、代表的な「カーミングシグナル(落ち着きの信号)」の一つ。
見知らぬ人が近づいてきた、雷や花火の音が怖い、他の犬に威嚇された…そんな不安や緊張を感じた時、犬は「敵意はないよ」「争いはやめよう」というメッセージを相手(や自分自身)に送るために、この行動を取ります。あなたが大声で叱っている時、愛犬が俯き加減で唇を舐めていたら、それは「怖い」「怒らないで」という心の叫びかもしれません。ストレスサインが頻繁なら、環境を変えてあげることが第一歩。来客時は別室に安全地帯を作る、苦手な音がする時はテレビの音量を上げるなどの配慮が有効です。ひどい場合は、行動療法や獣医師による薬物療法の選択肢もあります。
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喉がカラカラ!脱水の可能性も
ソファを齧ってしまい、それを見つけたあなたが「こらっ!」と声を上げた瞬間、愛犬がしょんぼりして唇をペロリ…。これは「謝罪」や「服従」の気持ちの表れです。
犬は社会的な動物で、群れの和を保つための本能を持っています。上位者(あなた)の怒りを鎮め、緊張状態を解消しようとして、このような「なだめ行動」を取るのです。この行動自体は悪いことではありませんが、問題は、犬が「なぜ怒られているのか」を理解していない可能性が高いこと。ただあなたの怒った顔や声にビクついているだけかもしれません。そうならないためには、悪いことをしたその瞬間に、短くはっきりと注意し、良い行動をしたら大げさなくらい褒める。この一貫性が、信頼関係を築き、不要なストレスを犬に与えないコツです。
おやつタイムの期待でいっぱい!
これは心配無用で、むしろ微笑ましい理由です。あなたがポテトチップスの袋をガサガサ開ける音、ドッグフードの袋を触るあの独特の音…犬は学習の天才ですから、「あの音の後には良いことが起こる!」とすぐに覚えます。
期待に胸を膨らませ、よだれが分泌され、自然と唇をペロリと舐めてしまう。これはごく自然な生理現象です。「ちょうだい!」と訴えるような熱い視線とセットになっていることが多いですね。ただし、人間の食べ物を欲しがるそぶりを見せた時に安易に与えるのは、肥満や健康被害の元。ここは飼い主さんの忍耐力が試されるときです。「おすわり」や「待て」ができたら、犬用のおやつを一粒あげるなど、ルールを作って対応するのがおすすめです。
舐め行動のパターンを見極めよう
状況と頻度を観察する
さて、愛犬の唇舐めが心配かどうか、どう判断すればいいのでしょうか?鍵は「文脈」と「パターン」を見ることです。
例えば、車に乗せた直後から舐め始めるなら、それは「車酔い」のサイン。雷の日にだけするなら「恐怖」のサイン。ご飯の前だけなら「期待」のサイン。このように、状況と結びついている行動は、原因が分かりやすく、対処法も見えやすいですよね。一方で、特にきっかけもなく、一日中だらだらと舐め続けている、夜中にも頻繁に起きて舐めている、といった場合は要注意。持続時間が長く、頻度が高い行動ほど、身体的・精神的な問題が背景にある可能性が高まります。私は愛犬の行動をスマホのメモに簡単に記録するようにしています。「14時、散歩から帰宅後、10分間ほど頻繁に唇を舐める。水はガブガブ飲んだ」など。これを獣医師に見せると、診断の大きな手がかりになりますよ。
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喉がカラカラ!脱水の可能性も
唇を舐める行為そのものより、それに付随する他の症状の有無が、緊急度を判断するカギになります。
ではここで、心配なサインと、それに考えられる原因を簡単な表にまとめてみました。あなたの愛犬に当てはまるものはありませんか?
| 併発する症状 | 考えられる主な原因 | 緊急度の目安 |
|---|---|---|
| 嘔吐・下痢 | 誤食、胃腸炎、膵炎など | 中~高(繰り返す場合はすぐに受診) |
| 食欲不振・元気消失 | 内臓疾患、歯の痛み、全身的な不調 | 中~高(24時間以上続くなら受診) |
| 口をパクパクさせる、前足で口をこする | 歯の間の異物、歯周病、口内炎 | 中(異物は緊急、歯周病は早めに受診) |
| よだれが異常に多い(ネバネバ、血が混じる) | 歯周病、口腔内腫瘍、中毒 | 高(すぐに受診) |
| 震え、痙攣 | てんかん、中毒、痛み | 高(すぐに受診) |
この表はあくまで目安です。一番大切なのは、「いつもと違う」というあなたの直感。飼い主であるあなたが一番、愛犬の平常値を知っているのですから。
愛犬を助けるための実践的アプローチ
健康が疑われる時は、まず獣医師へ
愛犬の唇舐めが「病気かも」と感じたら、あなたが最初にすべきことは何だと思いますか?正解は、自分で判断しようとせず、プロに任せることです。
インターネットで調べたり、知り合いの愛犬家に相談したりするのは良いですが、最終的には必ず獣医師の診断を仰ぎましょう。特に、誤飲誤食の可能性(チョコレートやタマネギなど)や、口の中に異物が刺さっているかもしれない場合は、時間が勝負です。夜間や休日でも対応してくれる救急病院を事前に調べておくのが安心です。診察の時は、先ほどお話しした「行動の記録」や「症状の表」を見せると、スムーズに話が進みます。「この子、最近よく唇を舐めるんです」という一言だけより、「この子は3日前から、特に食事とは関係なく、1日に何度も唇を舐めるようになり、昨日からはご飯も半分しか食べません」と伝えられたら、獣医師もずっと原因を絞り込みやすくなりますよね。
ストレスが原因なら、環境を整えてあげよう
もし原因がストレスや不安なら、私たち飼い主が環境を変えてあげることで、愛犬を大きく助けることができます。
例えば、来客が苦手な犬には、居室とは別の静かな部屋にクレートやベッドを置き、そこを「安心ゾーン」にします。その場所では絶対に叱らない、むしろおやつやお気に入りのおもちゃを置いて、良いことしか起こらない場所だと学習させます。雷や花火の音が怖い子には、音を遮断するために音楽を流したり、TVの音量を上げたり。また、フェロモン製剤(拡散器や首輪)は、犬が母犬から感じる安心感を与えるフェロモンを放出するので、環境変化によるストレス軽減に効果があるとされています(メーカーによる実験データあり)。散歩コースを変えて刺激を与えたり、知的なおもちゃで遊んで脳を使わせることも、ストレス発散と自信につながります。根気よく、愛犬のペースで慣れさせてあげることが大切です。
日常からできる予防とケア
歯磨き習慣で口内トラブルを防ぐ
唇舐めの原因のトップクラスである歯周病は、実はほぼ100%予防可能な病気です。そのカギを握るのは、言うまでもなく「歯磨き」。
でも、「犬の歯磨きなんて無理!」と諦めていませんか?確かに成犬になってから急に始めるのは大変ですが、子犬の頃から少しずつ慣らしていけば、多くの犬は受け入れてくれます。コツは「短く、楽しく、終わったらご褒美」のルールを徹底すること。最初は指にガーゼを巻いて歯ぐきに触れる練習から。嫌がったらすぐにやめ、成功したら大げさに褒めておやつを一粒。歯磨きジェル(嗜好性の高いものや酵素入りのもの)を使うと、磨きながら歯垢を分解してくれるので効果的です。週に3~4回、1分程度でも続ければ、3歳を過ぎた時の歯石の付き方が全然違います。あなたの愛犬が高齢になった時、美味しくご飯を食べられるかどうかは、今のあなたの習慣にかかっているんですよ。
適切な水分補給と安全な食事環境
脱水や誤食を防ぐことは、唇舐めだけでなく、命に関わる重大な病気を防ぐことにも直結します。
新鮮な水がいつでも飲める環境は基本中の基本。水飲みボウルは毎日洗い、場所は少なくとも2カ所以上(例えばリビングと寝室)に置くのが理想です。特に夏場や暖房を使う冬場は、思った以上に空気が乾燥しています。犬種によっては、流れる水を好む子もいますので、循環式の給水器を試してみる価値はあります。誤食防止については、家の中を犬目線で点検してみてください。床に小さなおもちゃの部品は落ちていないか、観葉植物は犬が食べても安全な種類か、ゴミ箱は蓋付きで倒されないか。散歩中は「拾い食い」をさせないトレーニングが重要。道に落ちているものに興味を示したら、「チョウダイ」や「イケナイ」の合図で注意をあなたに向けさせ、できたら褒める。この繰り返しで、だんだんと学習していきます。
愛犬のサインに耳を傾けよう
「いつもと違う」を見抜く飼い主の目
結局のところ、愛犬を守れるのはあなただけです。唇を舐めるという小さな行動が、実は大きなSOSだった、というケースは少なくありません。
私たちはつい、犬を人間の子供のように扱いがちですが、彼らは言葉を話さない別の種族。その代わりに、全身を使って精一杯のメッセージを送ってくれています。そのサインを読み取り、適切に対応してあげるのが、飼い主としての最高の役目ではないでしょうか。今日から、愛犬が唇を舐める時、ただ「また舐めてる」と流すのではなく、「今、どんな状況?体調は?気持ちは?」と一瞬考えてみてください。その小さな気づきが、愛犬の健康と幸せを長く守る一番の近道になるのです。
楽しい関係を築くためのコミュニケーション
犬の問題行動の多くは、実は「コミュニケーションの不足」から来ていることがあります。唇舐めがストレスサインなら、それはあなたとの関係を見直すチャンスかもしれません。
あなたは毎日、愛犬とただ「一緒にいる」だけで満足していませんか?もっと積極的に、質の高い時間を共有することを心がけてみましょう。例えば、10分間だけでも全力でボール遊びをする、新しいトリック(「お手」の次は「ハイタッチ」!)を教えてみる、知的なおもちゃでおやつ探しゲームをさせる。こうした活動は、犬の脳を刺激し、ストレスを発散させ、何よりあなたとの信頼関係を深めます。犬は働くことが好きな動物です。何かを成し遂げて褒められることが、彼らに大きな自信と安心感を与えるのです。唇を舐める回数が減り、代わりにあなたに向ける笑顔のような表情が増えたら、それはあなたの努力が実を結んだ証拠。そんな関係を、ぜひ築いていってくださいね。
もっと知りたい!愛犬の唇舐めにまつわる豆知識
犬種によっても傾向が違う?
実は、唇を舐める頻度や理由は、犬種によって少し特徴があるかもしれないって知っていましたか?
例えば、鼻ぺちゃの犬種(ブルドッグ、パグ、シーズーなど)は、口周りの皮膚がたるんでいたり、歯並びが特殊なことが多いです。そのため、食べかすが詰まりやすく、それを気にして唇を舐めることがあるんです。逆に、牧羊犬種(ボーダーコリー、シェットランドシープドッグなど)は非常に感受性が強く、ストレスを感じやすい傾向があります。あなたが少しイライラしているだけで、彼らは敏感に察知して「リザードタン」を始めるかもしれません。もちろん、これは一般論で、個体差は大きいです。でも、「うちの子はこの犬種だから、もしかしたら…」と考えるきっかけにはなりますね。あなたの愛犬のルーツを知ることは、行動を理解するヒントになるんです。
子犬と老犬、気をつけるポイントの違い
愛犬が唇を舐める理由は、年齢によっても注目点が変わってきます。子犬とシニア犬、あなたはそれぞれどう見ればいいでしょう?
子犬の場合、ほとんどが「探索」と「学習」の一環です。なんでも口に入れて確かめる時期ですから、変な味がした、口の中が気持ち悪い、というだけでペロリと舐めます。歯の生え変わり時期のむずがゆさも原因の一つ。一方、シニア犬(およそ7歳以上)で新しく唇を舐める行動が増えたら、より注意深く観察が必要です。加齢に伴う腎機能の低下、関節痛、認知機能の低下(犬の認知症)などが背景にある可能性が高まります。痛みを我慢しているサインだったり、どこか不快なのにそれがどこか分からず、不安から唇を舐めていることも。老犬の変化は「年のせい」で片づけず、獣医師と一緒に生活の質(QOL)をどう維持するか考えてあげたいですね。
私たちがやりがちな、実はNGな対応
「やめなさい!」と叱ってはいけない理由
愛犬がしきりに唇を舐めているのを見て、つい「やめなさい!」と声をかけてしまったことはありませんか?実は、それは逆効果になることがほとんどなんです。
なぜなら、犬はその叱られた理由を「唇を舐めたこと」と理解できないから。むしろ、あなたの険しい顔や怒った声そのものが、さらに大きなストレス源になってしまう可能性が高いです。特に、不安や恐怖が原因で唇を舐めている場合、「叱られる→もっと怖くなる→さらに唇を舐める」という悪循環に陥ってしまいます。ではどうすればいいの?と思うでしょう。一番良いのは、原因を取り除くか、愛犬の注意を優しくそらすこと。怖がっているなら抱きしめるのではなく(拘束と感じる子もいる)、そっと側に座って、落ち着いた声で話しかける。ただ、健康問題が疑われる場合は、この「注意そらし」で症状を見逃さないよう、くれぐれも気をつけてくださいね。
安易に人間用の薬やサプリを与える危険性
「もしかして胃が痛いのかな?」と思い、あなたが飲んでいる胃薬を少しだけ…というのは、絶対にやめてください。犬にとっては毒になる成分がたくさんあります。
私たちが何気なく使うイブプロフェンやアセトアミノフェンを含む鎮痛剤・風邪薬は、犬にとっては少量でも致命的な腎臓・肝臓障害を引き起こすことがあります。ネットで「犬 唇舐め サプリ」と検索すると、さまざまなサプリメントがヒットしますが、その効果や安全性は商品によってまちまちです。サプリを与える前にまずすべきことは、獣医師に相談すること。例えば、不安が原因と診断された場合、獣医師は「L-テアニン」や「カモミールエキス」など、犬の安全性が確認されている成分を配合したサプリを処方してくれるかもしれません。あなたの自己判断は、愛犬を守るつもりが、かえって危険にさらすことになりかねないのです。
他のボディランゲージと組み合わせて読む
耳としっぽの位置が物語る真実
唇を舐める行動だけを見るのではなく、耳としっぽの動きをセットで観察すると、愛犬の気持ちがもっと鮮明に見えてきます。
例えば、耳を後ろにピタッと倒し(いわゆる「飛行機耳」)、しっぽを股の間に巻き込みながら唇を舐めている。これは「恐怖」や「強い服従」のサインで、心がかなり萎縮している状態です。逆に、耳を前にピンと立て、しっぽをゆっくり振りながら、チロチロと唇を舐めているなら、それは「ちょっと緊張しているけど、興味もある」という複雑な心境かもしれません。次の表は、唇舐めと組み合わさる他のボディランゲージと、その意味の一例です。あなたの愛犬に当てはまるものはあるでしょうか?
| 唇を舐めると同時に… | よく見られる状況 | 考えられる気持ち |
|---|---|---|
| あくびをする | 知らない犬に会った時、病院の待合室で | 緊張やストレスを和らげたい |
| 目をそらす、瞬きが多い | あなたに叱られている時、苦手なことをさせられる時 | 「攻撃しないで」「落ち着いてほしい」 |
| 体を低くする、お腹を見せる | あなたが帰宅して機嫌が悪そうな時 | 「ごめんなさい」「あなたが怖い」 |
| 体をブルブル振る | 診察後、苦手なことをやり終えた後 | 緊張からの解放、気分の切り替え |
このように、体のパーツは連動してメッセージを発信しています。一部分だけを見て判断するのではなく、全身で話を聞いてあげましょう。
「カーミングシグナル」の深い世界
「リザードタン(素早い舌なめ)」は、実は数十種類あると言われる「カーミングシグナル」のほんの一部にすぎません。犬のコミュニケーションはもっと豊かです。
カーミングシグナルとは、犬が社会的摩擦を避け、自分自身や相手を落ち着かせるために出す信号全般を指します。例えば、あなたと愛犬が公園で向かい合っている時、愛犬が突然地面の匂いを嗅ぎ始めたとしたら、それは「ちょっとプレッシャーを感じているから、間を置いてほしい」というメッセージかもしれません。あるいは、他の犬と対峙した時に体を弧を描くようにゆっくりと動かして近づくのも、直進して突進するのを避けるための立派なカーミングシグナル。唇を舐める行動も、この大きなシステムの中の一つなんですね。これらのサインを学ぶと、犬同士のけんかを未然に防いだり、愛犬が無理をしている場面に気づいてあげられたりします。あなたも、愛犬の「言葉」の語彙を増やしてみませんか?
もしも、という時のために知っておきたいこと
緊急を要する「誤飲・誤食」の見分け方
唇を舐めながら、明らかに苦しそうにしていたら、それは「誤飲・誤食」の可能性が大。あなたはどう行動すべきでしょうか?
まず、絶対に無理に吐かせようとしないでください。尖ったものや腐食性のものを吐かせると、食道を傷つける危険があります。意識してすぐにすべきことは、何を、いつ、どれくらい食べた可能性があるかを確認し、動物病院に電話することです。獣医師は、物質と量によって「吐かせた方が良い」「吐かせてはダメ」「すぐに来院して」という指示を出してくれます。病院に行く時は、可能なら食べたものの残りや包装、嘔吐物を持参するとベスト。日常から、家の中の危険物(人間用の薬、チョコレート、キシリトールガム、タマネギなど)は愛犬の届かない場所に厳重管理する習慣をつけましょう。あなたのちょっとした準備が、いざという時の命綱になります。
高齢犬の認知症と唇舐めの関係
シニア期に入った愛犬が、特に理由もなく虚空を見つめながらずっと唇を舐めている…それは「犬の認知機能障害(CCD)」、いわゆる認知症のサインかもしれません。
人間と同じように、犬も年を取ると脳の機能が変化することがあります。CCDの症状は多岐に渡りますが、無目的な繰り返し行動(パンティング、旋回、そして唇舐め)もその一つ。見ているものがわからなくなったり、どこにいるか分からなくなった不安から、同じ行動を繰り返すことで自分を落ち着かせようとしているのかもしれません。もしあなたの愛犬に、昼夜逆転、トイレの失敗、家族の認識が薄れるなどの症状が唇舐めと一緒に見られたら、一度獣医師に相談してみてください。完全な治療法はありませんが、専用の処方食、サプリメント、生活環境の整備(夜は明るくする、家具の配置を変えないなど)で進行を遅らせ、快適に過ごせる時間を延ばす手助けはできます。彼らが混乱している時こそ、あなたが穏やかに見守る存在でいてあげたいですね。
E.g. :犬が人の口や顔を舐めるのはなぜ?舐めさせてもいいの? …
FAQs
Q: 犬が唇を舐めながら口をパクパクさせるのはなぜ?
A: 犬が唇を舐めながら、まるで何かを噛むように口をパクパクさせる場合、口の中に強い違和感や痛みがある可能性が非常に高いです。具体的には、歯と歯茎の間に食べカスやおもちゃの破片、小さな骨などが挟まっている、歯周病で歯がグラグラしていたり歯茎が炎症を起こしている、あるいは口内炎や口腔内の腫瘍ができていることが考えられます。私たち人間でも、歯に詰まったものが気になると無意識に舌でいじりますよね。犬はそれと同じで、取り除けない不快感を解消しようと、舐める行為と共にパクパクという動作をしてしまうのです。このような仕草が見られたら、まずは優しく口の中をチェックしてみてください。異物が見えれば慎重に取り除き、何もなくても歯茎の腫れや出血、強い口臭がないか確認しましょう。明らかな異常が見られたり、行為が続く場合は、動物病院で歯科検診を受けることをお勧めします。
Q: 病気の時に犬は唇を舐めるって本当?
A: はい、その通りです。犬は体調が悪い時、特に吐き気を感じている時に唇を頻繁に舐める傾向があります。胃腸炎や膵炎、腎臓病など内臓に不調がある場合、あるいは車酔いや誤食によって気分が悪くなった時、唾液の分泌が増え、それを飲み込むために無意識に唇を舐めてしまうのです。これは、嘔吐の直前に見られる典型的なサインの一つでもあります。ですから、特に食事や散歩などの明確なきっかけがないのに、愛犬がぐったりしながらしきりに唇を舐めている時は、病気を疑うべきタイミング。特に、食欲不振や下痢、異常なほどの元気消失といった他の症状を併発していないか注意深く観察してください。単なるわがままや癖ではなく、体からのSOSである可能性を常に頭に入れておくことが、飼い主としての重要な役割です。
Q: ストレスで唇を舐める時と、単に食べ物が欲しい時の違いは?
A: この2つを見分けるカギは、「その時の状況」と「愛犬の全身のボディランゲージ」を総合的に観察することにあります。食べ物が欲しい時は、あなたがキッチンに立つ、おやつの袋をガサガサさせるなど、明確な「きっかけ」があります。また、期待に胸を膨らませた明るい表情で、尻尾を振りながら熱い視線を送ってくるでしょう。一方、ストレスや不安が原因の場合は、状況が全く異なります。雷や花火の大きな音、見知らぬ人や犬が近づいてきた、あなたが大声で叱っている時など、犬にとって「怖い」「緊張する」場面で起こります。この時の仕草は、舌を素早くチロチロと出す「リザードタン」と呼ばれる動きで、体が少し硬直していたり、耳を後ろに倒し、尻尾を下げていることがほとんどです。愛犬の気持ちを読み取るには、唇だけではなく、全身で発信されている信号に目を向けることが大切です。
Q: 夜中や寝る前に唇を舐めるのは問題ですか?
A: 寝床に入り、くつろぎながら何度か唇を舐めてから眠りにつくような行動は、多くの場合問題行動ではなく、安心して自分を落ち着かせる「セルフソーシング」の一種です。子犬の頃に早くに母犬から離された犬や、デリケートな性格の犬にこの傾向が見られることがあります。これは、人間が寝る前に深呼吸をするのと似た、リラックスするための儀式的な行為と考えて良いでしょう。ただし、注意が必要なのは、その頻度と強度です。夜中に何度も起きては執拗に舐め続ける、舐めることで全く眠れていないように見える、あるいは舐める部位が赤くただれている場合は話が別です。その場合は、アレルギーによる皮膚の痒み、胃酸の逆流による胸焼け、あるいは強い不安障害などが背景にある可能性があります。単なるくつろぎのサインか、問題のサインかを見極めるには、愛犬が実際にぐっすり眠れているかどうかが一つの指標になります。
Q: 唇を舐めるのをやめさせるにはどうしたらいい?
A: まず絶対に守ってほしいのは、むやみに「やめさせよう」と叱らないことです。唇舐めは結果であって原因ではありません。原因を取り除かずに行動だけを止めようとすると、犬はさらにストレスを感じ、別の問題行動に移行する恐れがあります。正しいアプローチは、原因を特定し、それに対処することです。もし健康面が心配なら、自己判断せずに獣医師の診断を仰ぎましょう。歯周病が原因なら歯科治療と毎日の歯磨きを、ストレスが原因なら、そのストレスの元(騒音、来客など)から遠ざける、安全な避難場所を作る、フェロモン製剤を利用するなどの環境調整が必要です。単に食べ物への期待からなら、それは自然な行動なので止める必要はありませんが、人間の食べ物を欲しがる時の「おねだり」には応えず、代わりに犬用おやつを与えるルールを一貫させることが大切です。愛犬の気持ちに寄り添った根本的な解決を心がけてください。
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